初ライブ 84シンフォニー オン アイス

レポートは上記「香盤表」及び「出演者」をご参照の上お読み下さい。


初ライブ 84シンフォニー オン アイス
Symphony on Ice

 私は72年の札幌五輪でフィギュアスケートを知り、ジャネット・リンのファンになった。そのリンが来ると知り、この公演の1月3日のチケット(S席北CブロックF列3番)を予約した。83年12月26日にNHKで放送されたプロフィギュアでリンの『青い鳥』を見て、1月1日に〈笑っていいとも〉元日特番にリンが出て(フジの番組でテレビ朝日後援のイベントを宣伝!)気分は初観覧に向けて盛り上がって行った。

会場に入り、プログラム(オールカラー全32頁で800円)、リンの自伝『愛と平和を』(75年英友社)を買う。席の右手、渋谷口側にステージが用意されていた。

ジョン・カリーがフィギュアスケートの芸術性を追及して誕生したのがこの「シンフォニー オン アイス」、オーケストラの生演奏でスケーターが舞う、というものだった。

 

 あれから16年、代々木で行われたフィギュアのイベントはディズニーワールド・オン・アイスを除いて全て観ていますが、未だにこの「シンフォニー オン アイス」を上回る公演はない、と思っています。出演者の豪華さなら「メダリスト・オン・アイス」や「チャレンジ・オブ・チャンピオンズ」「スターズ・オン・アイス」の方が上でしたが、イベント全体を一つの作品として見た時の豪華さ、完成度は「シンフォニー」が上でした。それは「初ライブ」だったからかもしれません。

私は初ライブの感想をメモにして残していました。当時のメモを引用しつつ、ビデオを見なおしながら、進めて行きます。

 

《場内が暗転し、ロックが流れ、その激しいリズムにあわせて緑色のレーザー光線が走った。銀盤に反射し、リンクを駆け巡り、空を切り裂く。音が止むとスポットライトがステージに並んだ新日本フィルハーモニー交響楽団を照らし、指揮者のチャールズ・バーカーが登場した。》

第1部

@『グライズ』(『四季』より)

《暗い中、オーケストラのみが照らされて演奏していた。一段落した時、反対側から12  人のスケーターが入ってきた。全員白の薄衣で、一人一人異なった、しかし全体としては見事に調和したポーズをとって、スチームの中を身動きせずに進んでくる様は、群像の彫刻が雲の上を進むようで、幻想的な美しさだった。この演出、この美しさは観客を一瞬にして支配する力があった。後は、どう見てよいか困るほど。12人が一群れになったり、4人ずつ、3人ずつに別れたり、広いリンクいっぱいに舞ってみせた。数人ずつ出て来たり、手を変え品を変え、飽きさせない。》

TV中継ではオープニングに少し映っただけ。中継は1月4日19:00から2時間生中継でした。タイトルは〈新春水曜スペシャル「84世界プロフィギュア選抜・光と音と妖精たちの乱舞 シンフォニー・オン・アイス」〉。放送席には解説として松村充と渡部絵美、ゲストとしてアントニオ猪木(当時のテレビ朝日最大の人気番組は〈ワールドプロレスリング〉)、桃井かおり(新番組の主演)が入りました。客席の熱狂度を計る「エキサイティング・ポイント(以下EXP)」が説明されました。

このTV中継も大変凝ったものでした。全てのプログラムは作曲者と振付師の名前と演技者のサインがクレジットされました。絵作りも、アップとロングを合成したり、ピアニストの指の動きを合わせたり、オーケストラ越しにスケーターを映したり、全てが成功してはいないものの、工夫がこらしてありました。アナウンサーとゲストがうるさいのは今と変わりませんが、喋り過ぎるほどではありません。

 

A『タンゴ タンゴ』 ジョン・カリージョジョ・スターバック

《リンクが再び明るくなると、黒で盛装したカリーが立っていた。ピアノの音とともに、カリーの腕が動き、足が円を描く。この最初の動作でカリーは客席を支配してしまった。動きの一つ一つが完璧に決まり、歯切れがよい。妖気とさえ言いたい独特の雰囲気があった。曲が変わり、紫のスターバックが入ってきた。そしてあくまで流麗なペアスケーティングを雰囲気たっぷりに演じた》 EXPはカリーのソロで92、ジョジョが入って96。

初観覧の印象は「流麗」。繰り返し出てくるので削りました。カリーの演技の印象は今見直しても変わりません。今の目で見るとスピードと氷面の利用に欠けることが気になりますが、これほど動きの切れる人、決まる人はいない。その点で「世界一カッコイイ」。ジョジョは『The Official Book Of Figure Skating』(98年、米ス連編)で「Creating A Routine」という章を担当しており、そこで『タンゴ タンゴ』について「Be An Actor」という一節を割いています。この作品は77年の「氷上舞踏」公演のためにピーター・マーチンズが振付けたもの。芸術家カリーと同志ジョジョの出発点だったと知って感慨を新たにしました。

 

B『ワルツ第7番』 エディサ・ドットソン

《前二つが贅沢過ぎた。スピンの美しさしか覚えていない》EXP94

ダブルアクセルを跳んだくらいで、あとはスケーティング動作とスピンだけで構成。地味で、スピードに欠け、氷面の利用が小さいため、見栄えがしなかったので、上記の感想になったようです。

 

C『赤いけし』 デヴィッド・サンティー

 《曲はダーっと始まってバンと盛り上がる。左手からダーっと突っ込んできたサンティーはバンッとジャンプ。3回転したろうか、その豪快なこと!》

なんて稚拙な表現。割とよく使われる曲ですが、皆同じ使い方で同じ所で跳びます。ジャンプはトリプル・トウループ。

 《この冒頭で客席を熱狂させ、後はパワフルな演技でぐんぐん引っ張って行った。そのダイナミックな躍動感。力強く、豪快で、若々しい。爽快感を残す演技だった》EXP98

「ロシアの水兵の力強さを表現」した由。プログラムの並べ方が巧みでした。静かな群舞、情念あふれるソロとペア、おとなしい女性ソロの次だから、サンティーの個性が際立ちました。そして次は一転して可愛い女性ソロ。

 

D『黄金の雨』 ドロシー・ハミル

《ハミルは白のシャツに白の吊りマンボズボン、白のハンチング。文無し少年は左右のポケットを裏返しにして寂しそうに肩をすくめた。一条のレーザーが、“黄金の雨”、この雨がお金だったら、と踊り出す。少年は踊っているうちに陽気さを取り戻してくる。素晴らしい表現力。》

EXP95はサンティーのパワーに匹敵する派手さが無かったからで、決して劣るものではありません。いや、表現力はもちろんハミルが上。とにかく、ハミル演じる少年が可愛い。両手をポケットに突っ込んでスキップするあたりは何度見ても最高に可愛い。

 

E『トリオ』 ドッド、カリー、ホミヌーク

《青いコスチュームの3人がゆったりと滑った。その息のあった動きは優雅でしなやか。ただ、女性が若干ふらつく》EXP98

いやな素人だね! スケーティング重視ながら、リフトがあって、トリオ・スピンがあって、イーグルをするドッドの左右で男性2人がフォアとバックでスパイラルをして、工夫がこらしてあって面白い。ただ、スピード感はない。

 

F『ガーシュイン・メドレー』 スターバック、ニコル、マーフィー、バウザー

《男は背広、女も普通の姿で、男女1対、2対、女2人と男1人、男1人、3人とややこしく入れ替わってパントマイム。少々飽きてきたが、退屈はしない》EXP94

まず2組の男女がはしゃいだり、もめたり。ジョジョとバウザーが洒落たデュエットを見せた後、マーフィーのソロ。これも動きが小さいのですが、非常に凝ったエッジ捌きと動きでとても面白い。桃井かおりはこのソロが一番お気に召したよう。ワンフット・アクセルという渋いジャンプもしました。それからジョジョとニコルとバウザーのトリオ。

 

G『青い鳥』(『眠れる森の美女』より) ジャネット・リン

《昨年12月26日と同じもの。やはり人気は一番、たかれるフラッシュの数が違う。「遂にリンを観た」と、そのことに熱狂してしまい、時間がとても短く感じられた。美しかった。まさに青い小鳥だった。小鳥は自由の喜びを身体中で表すかのように、リンクの中を舞って見せた》この後賛辞の羅列で恥ずかしい。EXP100

このころから「フラッシュ撮影禁止」にも関わらず、そもそもカメラ持込禁止にも関わらず、違反者は多かった! 16年間進歩が無いというのは恥ずかしいです。十数年ぶりにビデオを見なおして、感動のあまり涙が出ました。美しい。リンがスケートで表現したかったものは「神に愛されて生きる喜び」だそうですが、たった2分の、ジャンプも派手な技も無い演技がこれほど見る者を魅了するのは、それが客席に伝わっているからでしょう。美しい。素晴らしい。それから、うまい。ワンストロークがよく伸びる。

 

H『孫悟空』(『汚れた英雄』より)割愛 I『氷の華』割愛

 

第2部

J『ラ・ヴァルス』

《明るくなると、9人の男女が彫像のように立っていた。男はベスト、女はイブニングドレス。みな仮面をつけている。もう一人の仮面の男が現れ、皆に触れて行く。触れられた者は、命を吹き込まれたように動き出す。9人の内の一対の男女が恋仲になった。皆に命を与えた男はそれが許せない。他の者を使って2人の仲を裂こうとする。男は大勢に囲まれ、やっとそれを破っても、女は悪魔に逆らえない。2人は一緒になれない》

TV中継された公演では行われなかったもよう。

 

K『夢魔』 デヴィッド・サンティー

 《再びサンティーだがCとはうって変わっておとなしく、悪夢なのだろう、憂鬱ですらある。しかし、サンティーの演技には大きさがある。》EXP

nightmare」という単語を知らなかったのですねぇ。今見ると悪くない。

 

L『スノー・クィーン・パ・ド・ドゥ』 ジャネット・リン&ジョン・カリー

《再びリン、初めてのペアスケーティングのパートナーはカリー、男女シングルの頂点に立つ者同士が組む。二人とも白い衣装で、長身のカリーと並ぶとリンは愛くるしい少女に見える、そんな服装だった。滑る二人の美しいこと。妬けるくらいだ。ジャンプやスピンより、ただ滑る時で魅せる二人がその長所を十二分に活かしてもう最高の雰囲気。そう、雰囲気で魅了する。酔わせてくれる》EXP105

クサい感想に赤面してしまいます。別名『Wedding』、恋する男女の結ばれる様子を描いたもの。ペアの技は、簡単なリフト(94NHK杯EXでキャンデロロがボナリーを持ち上げたリフト)があるだけ。しかしこの2人だと滑っているだけで十分。この時のリンの写真が8年後に後楽園アイスパレスの「神様、氷をありがとう」というポスターに使われました。

 

M『タランテラ』 シェリー・ウィンタース&キース・デーヴィス

 《赤く燃えるコスチュームで動と静のコントラストの鮮やかな演技。貫禄の差で支配力がLに劣るが、リフトなどの力技の派手さはカリーとリンのインスタント・コンビでは出せないもの》EXP98

後にウラジミール・コチンが使い、ファンが熱狂した名曲『タランテラ』。「シンフォニー」で最も記憶に残った曲が『タンゴ タンゴ』と『タランテラ』でした。今のペアを見慣れた目には物足らないものの、交互にジャンプを跳んだり、リズムの表現がおもしろい。

 

N『精霊の踊り』 パトリシア・ドッド

《少し疲れてきた客にちょうどよい演技だった。派手さ、力強さはないが、優雅でやさしい。それに魅かれて見つめると、実に落着きがあって、その美しさは格調高いとさえ言える。飛んだり跳ねたりしなくてよいのだ。この人の滑りは見れば見るほど味わい深いのではなかろうか。地味な割には拍手が多かった》EXP97

まったく、見れば見るほど味わい深い。ワンストロークがとてもよく伸びるので、あくせく走らなくても大きな演技。ムーブズ・イン・ザ・フィールド(スパイラルやイーグルのように、滑っているだけの技)を多用した演技はドッドが「静止状態で移動できるのがスケートの魅力」と語る通りの美しさ。

 

O『フォーティーズ』 ジョジョ・スターバック、ジム・バウザー

 《ジョジョがドッドに劣らぬ優雅な滑りを見せた。上半身を反らせてスピンしながら両手を交互に上に伸ばす》EXP95

「レイバックスピン」という言葉をまだ知りませんでした。何も知りませんでした。派手な曲にあわせてジョジョが華の有るところ見せ、途中からバウザーが入って洒落たデュエット。

 

P『ヴィクトリー・アト・シー』 ドロシー・ハミル

 《ハミルが今が盛りの美しさを見せた。円熟味はドッド、ジョジョに追いつき、しかもまだ若く、だから躍動感がある。背が高く手足が長いだけ表現力もリンより豊かだ。それを支える正確な滑り。リンとハミルは別格だ。嵐のような拍手》EXP103

背伸びしてますね。「背が高く手足が長いだけ見栄えがする」と書くべきだし、初観覧の私に「滑りの正確さ」などわかるはずが無い。ハミルが別格というのは今見ても変わらない。

 

Q『タイスの瞑想曲』 キャシー・フォルクスマーク・ホミヌーク

 《またペアで、シングルよりペアの方が楽しめると思った。2人で滑るだけ表現力が豊かになるし、巾も出る。素人目には美しさがわかりやすいし、力技や軽技はストレートに訴えてくる。》EXP98

  愛し合う男女が宗教の違いの為に結ばれない、という物語。男性に見送られて女性がバックで闇に消えてフィニッシュ。

 TV中継は次の『バーン』のフィニッシュ直前に終わりました。猪木と桃井による特別賞は猪木推薦の『赤いけし』のサンティー。猪木は女性の美しさに言葉を失う場面もあったものの、やはり力強さと豪快さに惹かれました。

 

 R『バーン』

   《暗い中、道着風の白い衣装のカリーが中央に、赤の男3人がこちらの隅、赤の女3人      が反対側に、配置についた。緑のレーザーがカリーをとらえ、銀盤でクルクルとまわった。それにあわせてカリーが舞う。力強く、美しく! 動作はそのままメロディーになり、音楽と一体化する。カリーがオーケストラを指揮しているのか、音がカリーを操るのか。左右から6人が滑ってきた。カリーを中心に乱舞する。輪になってまわる。カリーは6人の間を縫って逆方向にまわる。全体の動きは完全に調和している・・・音楽のままに。力強く、美しく! 圧巻は7人掛りのデス・スパイラル。カリーが中心になり、皆手をつないでぐるぐるまわり、一番外側の女性は銀盤に水平になっている。7人が滑りまくる。リズムとメロディーになってburn、燃え上がる。力強く、美しく! 客席も氷上のシンフォニーに引き込まれ、同じリズムとメロディーで熱狂した。アンガジュマンだ。スケーター、オーケストラ、客席が一つになってfinish。これほどの一体感はいつ以来だろう》

  今度のカリーは滑りまくりました。7人で10分近く滑りまくりました。アンガジュマンengagementなんて言葉はすっかり忘れていました。意味を調べたら、この使い方は間違っています。恥ずかしい。当時の自分の記述も気恥ずかしいけど、よく読むと今も変わらぬような―――この時の一体感、高揚感は今もよく覚えています。どんな気持ちだったか・・・

   《7人が横一列になって挨拶する。他のメンバーも出てきて列に加わる。拍手はますます高鳴る。再びBlue Birdのリンが出てくる。ハミルも来る。嵐のような拍手。もう胸がいっぱいだった。この2時間半の感動が全て押し寄せてきた。カリーが言いたいことがわかった気がして、自分が受けた感動を返したくて、夢中で拍手した。松村と渡部も出てきた。カリーがオーケストラを指し、全員がそちらに礼。客席の拍手を受けて指揮者も礼を返す。17人の芸術家達は今一度南北に挨拶して、くるくるまわりながら退場して行った。拍手はなりやまず、アンコールすら求めだしたが、場内が明るくなってやっと止み、みな上気した表情でやっと席を立った》

  今更これ以上の言葉はありません。この時の興奮と満足感、感謝の気持ちはその後味わっていない、それが「シンフォニーは日本フィギュア史上最高のイベントだった」と今も主張する理由です。(実は、他のジャンルを知らないだけだったりして)

  もう一つ、感じていたことは「ジョン・カリーは天才だ!」ということ。シングル、ペア、トリオ、群舞まで振付ける才能を天才と言わずしてなんと言おう。

  今の目で見ると、というのは野暮ですが、あの日あれほど熱狂した『赤いけし』『タランテラ』は、見直すとそれほどでも・・・・です。当時のアマチュアのレベルにも及ばないものでしょう。対して当時うっとりした『青い鳥』『スノウ・クィーン・パ・ド・ドゥ』『精霊の踊り』は今も、いや、前にも増してうっとりしますし、『ガーシュイン・メドレー』のマーフィーは今回初めていいと思いました。力と技はどんどん追い抜かれて行くものだけれども、スケーティングそのものは当時に及ばず、芸の深みは永遠、ということなのでしょうか。それを考えると、10年たっても誰も追いつけない伊藤みどりさんの力と技はやっぱり凄い!! 

  最後に、自慢話におつきあいください。

   《デカデカと「選手、関係者入り口」と貼ってある扉に行って、粘った。小学校低学年くらいの子供を連れた家族が2つ3つ、皆フィギュアを習っているらしく、「ミツル先生、ミツル先生」とうるさく、渡部が出てくると「キャシー、キャシー」。私はガラスにへばりついていた。あれだけ大きく看板を出しているのに人は50人ほどしか集まっていない。フォルクスかドッドか、長身の女性が来たが皆薄情にも無視した。

     リンが来た! 夢中でシャッターを押す僕を見てにこにこしている。その笑顔にずうずうしくなって「もう1枚」と指を立てると、ちょっと首をすくめていたずらっぽく笑い、立ち止ってくれた! 僕の為に、僕だけの為に! 最敬礼した。

     リンが来たのでファンは興奮して詰め掛けてきたが、扉からバスまで人垣を作って行儀よく待った。リンは花束を受け取ったりサインをしたりしていたが、人が多いのに気づくと、一旦バスに荷を置きに行って改めて戻ってきた。先の僕への態度といい、これほどファンを大切にするとは! 握手してもらった。リンの右手はひんやりして、冷たい水で洗った後のような感触だった。間近に見るリンは157pという身長より小さく見えた。公演用のメイクをして、減量のためだろう、頬もこけているが、小柄な容姿と繊細な金髪はやはり“妖精”で、女のコ達が「可愛い・・」とため息をついていた。

     続々とスケーターが出てきて、ファンがそちらに集まって、やっとリンはバスに乗れた。入り口に一番近い席に座った。最後にハミルやカリーが乗って、バスは出発。スケーターはみな車内で立ち上がって手を振ってくれた。僕達はうれしくなって手を振り返した。美と感動を伝えてくれた、あの人達はフィギュアの国からの使者。

     バスを見送ると、リンと握手した喜びがこみあげてきた。フワフワしながら歩き、右手には何も持たず、勿論手を洗わないで寝た》

(2000/2/11脱稿)

Reported by Shark島 : mail to gshark@japan.interq.or.jp